空悟~大切な君~
「どういう事だよ。あの世から来たって事は、幽霊とか言うんじゃないだろうな」
「いや、拙者はそういうものではござらん。だが、あの世で働く案内人でござるよ」
「案内人?」
すると侍は言った。絶望的な言葉を。
「今日の深夜零時、空悟殿の魂をあの世へと連れて行く」
「それって…」
「空悟殿は死ぬ」
「……」
何て簡単に言いやがるんだ。こいつ。
「拙者は死した魂をあの世へと導く案内人。空悟殿が死ぬと分かりやって参った」
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