空悟~大切な君~
「色とかは何がいい?」
「えっと、白と…」
俺が布の色を選んでいると、外で遊んでいた純太が教室に入って来た。
「海斗…お前何やってんの…」
「飛行機作るんだよ」
そして俺は飛行機の形を布に描き、その線にそってハサミで切っていく。隣では純太が半眼で俺を見ている。
「お前…やっぱ変わったよ。魔王様になるし」
「それはもういいんだよ!」
たまらず突っ込む。
空悟が喜んでくれるなら、俺は何でもする。空悟といられる時間はあと少しだけだから。
< 74 / 136 >

この作品をシェア

pagetop