空悟~大切な君~
「ただいまー」
夜の七時に父さんが帰って来て、真っ先に空悟の元に向かった。
「ほら空悟、飛行機だぞー」
父さんは手にまっさらな飛行機を持ち、空悟に差し出した。空悟はとりあえずその飛行機を受け取ったが、表情は暗いままで、飛行機をテーブルの上にそっと置いた。
「どうした?空悟の好きな飛行機だぞ」
父さんが言っても空悟は反応を見せず、とうとうそっぽを向いてしまった。
「空悟…」
よほどショックだったのか、父さんは俺の所に来た。
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