空悟~大切な君~
「く…」
必死で抵抗しようとするが、相手の力のが強く動けない。こんなに華奢な身体なのに。
そして、侍は静かに、強くはっきりと言った。
「海斗殿が何も考えず魂を差し出すと思ったか?」
「く…」
「空悟殿の大切さに気付き、今までの空悟殿にたいする接し方に反省し、最後にその罪を償う為に命を差し出した。魂を差し出すのがお主では駄目だったのだ」
「生きていれば罪を償う事なんていくらでも出来るだろう!」
「人は過ちを繰り返す。それを海斗殿は分かっておる」
< 92 / 136 >

この作品をシェア

pagetop