sky!!

愛美を見つけた。雰囲気の悪い建物の前で、男にちやほやされている。今まで見ていた愛美じゃない。あたしの大好きな愛美じゃない。

「愛美…！」

あたしは息切れ混じりの声で言った。愛美には届いてない声で。

「愛美…っ！！」

叫んだ。怒りを全てこの声にかけて、叫んだ。愛美はようやく気づいた。

「はーい。」

冷めた声。愛美じゃない。何か汚いものを見るような目。笑顔じゃない笑顔が返された。

「何でハメたの！？」

「嫌いだから。」

ストレートにグサッとあたしの胸にささった。嫌い？あんなに仲がよかったのに。足が震える。それよりも、胸が震える。

「いつも上から目線。んでもって男にデレデレしやがって。キモいて前から思ってた。」

その今まで愛美から聞いたことのない言葉に立ち尽くした。何も言えなくて、憎しみなんて消えていって、ただ悲しみに浸った。

「バカは優だよ。消えろ。」

「愛美…。」

「消えろ。」

あたしが何か言おうとする度に、愛美は消えろと言った。愛美に何か伝えたところで、どうせ愛美の心には届かない。自然に目から何かが零れてきた。

「早く消えてよ。」

友達。そんなものこの世に存在しない。そう思えるくらい衝撃的で、悲しかった。あたしの目には、涙でぼやけた愛美の姿だけが映っている。つい昨日まで、愛しくて大切でかけがえのない存在だった。愛美。あたしの友達であり、親友だった。
あたしの中の何かが愛美の胸ぐらをつかむようにあたしを動かした。

「…最低。」

地獄の底のような低い恐ろしい声がでた。
愛美は震えていた。こんなあたし初めて？きっとおじけついたんだよね。
あたしは、その言葉を残すと背を向けて帰った。

友達なんてうわべだけ。いつかは裏切って、捨てるんだ。くだらない。そんな友達いらない。