The Nightmare Eraser 悪夢を消すもの
 はじめまして。お待たせしちゃいました?

 あぁ、それなら良かった。

 あ、じゃあ僕はアメリカンを。

 あっ、名刺は結構ですよ。お互い名前は分かってますし。いえ、頂いても困りますから。
 それでえーっと……ライバル会社の人事部長さんが、しがない研究員に何の用ですか?

 えぇ。前置きは結構ですから、要件を手短にお願いします。

 は……?
 “B”について……ですか?
 やだなぁ……。そんなこと聞く為にわざわざ呼び出したんですか?

 そりゃ笑いますよ。どこから何を聞いたか知らないですけど、何ですか? それ。

 確かに博士はウチの会社に来てますけど……僕のチームじゃないですよ。

 悪夢を見なくなる、飴玉!?

 そんなこと言われても、僕のいるチームでは、そんな薬は作ってないですから。

 はい、えぇ……そうですが……。

 そこまで調べてるのに、なんでそんな……。っはは……。

 あぁ、失礼。
 でも、そんなに、噂や彼女のことまで調べてるのに、肝心の薬のことは『らしい』とか『だろう』ばかりだったので。




→next
< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop