The Nightmare Eraser 悪夢を消すもの
「夢……?」
夏だというのに酷く寒い。しかし全身にはベッタリと汗をかいており、握り締めていたらしい手には、爪の痕(あと)が残っていた。
目覚まし時計を止めて、ベッドに半身を起こした体勢のまま、動きだせない。しかしそうしていると、だんだんと現実が還ってくる。カーテンの隙間から漏れる朝日と、鳥の鳴き声、車の音、街の気配。
「美耶(ミヤ)~? 早く起きなさい! 連休だからって帰ってきてダラダラして……。朝ご飯食べてくれないと片付かないでしょう!?」
どれだけそうしていただろうか。階下から母の呼ぶ声が聞こえて、ようやく体を起こした。
「はぁい! 今行く!」
良いじゃん最近忙しかったんだから。ゆっくり寝る為に帰って来てるんだもん。
はぁ良かった……。夢だったんだ。
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夏だというのに酷く寒い。しかし全身にはベッタリと汗をかいており、握り締めていたらしい手には、爪の痕(あと)が残っていた。
目覚まし時計を止めて、ベッドに半身を起こした体勢のまま、動きだせない。しかしそうしていると、だんだんと現実が還ってくる。カーテンの隙間から漏れる朝日と、鳥の鳴き声、車の音、街の気配。
「美耶(ミヤ)~? 早く起きなさい! 連休だからって帰ってきてダラダラして……。朝ご飯食べてくれないと片付かないでしょう!?」
どれだけそうしていただろうか。階下から母の呼ぶ声が聞こえて、ようやく体を起こした。
「はぁい! 今行く!」
良いじゃん最近忙しかったんだから。ゆっくり寝る為に帰って来てるんだもん。
はぁ良かった……。夢だったんだ。
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