七色の想い
大学生活

7月某日。
夏本番の時期だから、あたしが通っている大学内の雰囲気も夏モードで全開だった。

桜の淡い薄紅色の花びらが咲き乱れていた春の入学式から早くも4ヶ月が経ち、今日に至るまで慣れない教室移動や講義に苦戦したけれど、新しく出来た友達と何度も助け合いながらそれなりに充実した大学生活を送っていた。

今日もいつも通りに講義が終わり、友達の優莉と一緒に大学内のキャンパスを歩いて帰っていた。

「そういえばさ、七海の携帯と同じ機種の人って多いよね!」

「あー、確かに。最新だからじゃない?」

「いいな〜。私の携帯2年目だからさ、そろそろ新しいのに替えたいんだよね!」

「今のままでいいじゃん。」

「えー!?」

優莉は大学の友達の中でも一番よく話すけど、あたしとは正反対の女の子。髪は金に近い茶色で、腰まで伸びているストレートヘアが魅力的。服装もギャルみたいにミニスカートが多いけど化粧はほぼ素っぴんに近かった。ギャル特有の付けまつげは一切使ってない。本人曰く、上手く付けまつげが付けられないみたい…。

でも、見ためはギャルっぽくても中身は人一倍の努力家で、宿題や課題のレポートは徹夜してでも必ず提出期限を守ったり、恋愛話になると意外とナイーブで愛らしい一面を持っていていた。

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