七色の想い
「えー!じゃないよ。まだメールも電話も出来るんだしさ。」
優莉と比べてあたしは焦げ茶の髪に、色が映えない地味な服装で明らかに優莉と明暗の差があった。
それでも見た目じゃなくて中身をちゃんと見て接してくれる優莉があたしは大好きだった。
「お母さんっぽ〜い(笑)」
「むしろお母さんになってあげようか?」
「厳しそうだから嫌だ!」
「なにそれ〜!」
他愛ない話。いつもの日常。
こんな日々が一生続いて、これから沢山の人と関わって、それなりに恋愛を経験していつか結婚して、子供作って、一つ屋根の下で暮らして、老後を迎えるのだろう。
ふと、そんな感じで想像してたらあたしの鞄から何かが震えていた。