白い吐息
疑惑 〜Crack〜
震える手で琴は保健室のドアを開いた。

「おはよ…ございまっす…っテテ」

「どうしたの?」

不信な目で琴の姿を見る関口先生。
そして何故か横に座っている田口先生。

「いゃ、ちょっと腰が痛くて…」

「腰?」

「はい…」

理由は分かっていた。

「あーっ!長谷川先生、まさか…」

と、顔をしかめる田口先生。

「ちちち…違います!そんなんじゃ…」

「昨日のCRYSTALライヴで盛り上がりすぎたんですね!羨ましぃ〜!」

琴の言葉を無視して暴走する田口先生。
安心した琴は隠れてため息をつく。

「どうだったの?生CRYSTALは?」

いつも冷静な関口先生。

「スゴくカッコ良かったです!」

「でもズルいですよ。私には落選したなんて言って、彼氏と行くなんて」

「えっ?そーいえば田口先生何で知ってるんですか?」

しかもソコまで…

焦る琴。

「関口先生に聞いたんです。私には彼氏の存在すら否定してたのにぃ」

「はは…ゴメンなさい」

苦笑いしながら琴は関口先生に冷たい視線を送った。

「嘘はよくないわよねぇ」

と、田口先生の肩を抱く関口先生。

くそっ…
さすが、恐るべきグチグチコンビ!

「酷い。せっかくお土産買ってきたのに」

恐ろしさは、琴も負けていなかった。

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