白い吐息

「お土産!もしかしてグッズですか!?」

前のめりになって一気にテンションを上げる田口先生。

「はい。田口先生には天宮くんグッズ」

袋を手渡す琴。

「きゃーっ!ありがとうございます!」

さっきと180度態度を変える腹黒田口。

「そして、こっちが関口先生用の中原くんグッズです」

「あら…、ホントにいいの?悪いわね」

遠慮がちに袋を受け取る関口先生。

「きゃー!この優仁カッコイー!」

すでにパンフを開いて絶叫する田口先生。

「田口先生、私ちょっと長谷川先生に話があるから、ここに一人で居てもらってもいい?」

「はいはーい!ごゆっくり」

関口先生は琴の腕を掴んで保健室を後にした。


「えっ…あの、話ってなんですか?」

そそくさと歩く関口先生を必死に追う琴。

「誰かに聞かれたら困る話よ」

「……?」




生物室にやってきた2人。

「鍵、開いてたんですか?」

「今朝私が開けたの」

「関口先生が?」

そう言いながら窓際の席に座る琴。

「白居くん、どうだった?」

関口先生はイスを逆にして琴に向き合うようにして座る。

「どっ…どうって!別に…そんな…変なこと聞かないで下さいよ!」

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