白い吐息

「何を勘違いしてるのよ。私は昨日ちゃんと見つけられたかを聞いてるのよ」

「ぁっ…」

赤面した顔が青ざめ、背中にゾッと冷や汗をかく琴。

「やったのね」

「……はっ…はい」

固まる琴。

「良かったじゃない。仲直りできて」

関口先生は優しく微笑んだ。
その表情を見て、肩の力を抜く琴。

「問題が、ちゃんと解決したかは、よく分からないんですけど…」

「それは追々よ」

「だと、いいんだけどな」

「白居くんがあなたを必要としてるなら問題ないわよ」

「……」

「どしたの?」

「真人を必要としてるのは…私の方かも」

「何?のろけ?」

「いゃ、…なんか最近真人が傍に居ないと安心出来なくて」

「完全に恋に落ちちゃったのね?」

琴の額を指でつつく関口先生。

「…これ以上、好きになるのが怖いくらい。真人が欲しすぎて…」

両手で頬を押さえ、その熱を確かめる琴。

「それが健康な人間よ」

「そーなんですか…私にはまだ、分からないや」

「避妊した?」

突然ズバっと放たれる保健のベテランの言葉。
ゴクリと唾を飲む琴。

「しなかったの?」

「ごめんなさい。突然だったもので…」

小さくなる琴。

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