白い吐息
「あの、有名中学行ってる弟さん?」
「「うん。皆人っていうんだ。真人と違ってお高くとまった嫌味な奴なんだけどさ」」
「みなとくん…そうなんだ」
「「まぁ、奴のことはどうでもいいんだけど。それより両親について少し分かったんだ」」
「ご両親?」
「「皆人の話によると、親父さんホテル暮らししてるらしいんだ」」
「ホテル?…確かに真人の話だと、仕事で家には居ないって言ってたけど…」
「「かなり前かららしいよ。真人が高校入学したときには既に家に居なかったみたいだし」」
「そんなに前から?」
驚く琴。
「「自殺未遂と関係あるかもしれない。お袋さん、そのことでかなり真人に罪悪感感じてるらしくて、皆人曰く、ずっと真人に気を使ってるみたいなんだ」」
確かに…
そんな雰囲気だった…
「そう…」
「「まだ証拠はないけどね。これからも探ってみるよ」」
「うん。ありがとう」
「「それよりさ、真人も今家に居ないみたいなんだよね。皆人が言うには高校の先生の家にいるって話なんだけど…」」
ドキッ─
「そっ…それ、関口先生の家よ!」
慌ててデタラメを言う琴。
「「関口先生?」」
「私が頼んだの…怖い夢…ほら…関口先生は精神的な病気にも詳しいし!」