白い吐息
『ロマンがないなぁ〜』
『…ロマン?』
『オレはこう見えてもロマンチストなんだ』
『へぇ…』
『なんだよ。その興味なさそうな返事は』
『いや…可愛いね先生』
『だろ?これでまたモテモテだよ』
『そればっか』
『オレの前世知りたい?』
『何ですか?』
『白馬!』
『えっ?』
『王子様がまたがる馬だよ』
『ハハ…馬なんだ!超受ける!』
『案外、前世で琴子のこと乗せてたりしてな?』
『…えー。先生にまたがるなんて嫌ー』
『例えだろ…』
『ねぇ先生。前世って…何なんだろう?』
『また難しい質問するな』
『こういうの答えるの得意でしょ。ロマンチストだし』
『う〜ん…前世か』
『前世、前世…』
『昔、魂の宿っていた場所かな?』
『魂?』
『そして今、その魂はココにある』
『…魂の旅?』
『そんなとこかな?』
『素敵だね』
『だろ?』
先生の魂は
今何処にありますか…
なんだか無性に
会いたいよ…
「白居?」
「……」
真人が教室から出ようとすると、偶然森下とはち合わせた。
「失礼します」
森下を横切る真人。
「待て!」
「何ですか?まだ何かあるんですか?」