白い吐息
「ごめんね…。戸部くんにまで心配掛けちゃって」
「いいんだよ。オレ、先生の味方だから」
「…ありがとう」
琴は胸が熱くなった。
冷えきった心を解凍してくれる関口先生や戸部に、琴は人の優しさを覚える。
「で、早速なんだけど話題に入っていい?」
「はい」
「実は森下のことなんだけど、私話をしてみたの。例のことと白居くんのことが関係あるか確かめたくてね」
「はぃ…」
琴は戸部を気にする。
「オレは関口先生から全部聞いてるから気にしないで」
と、戸部は手を振った。
「…森下、白居くんに恨みがあるって言ってたのよ」
それは…
あの時に私も聞いた…
「その恨みが、どうやら森下の従兄弟と関係があるみたいなの」
「従兄弟?」
「その従兄弟ってのが…教師をしてて、…5年前に亡くなったんですって」
「……」
「その死が、白居くんのせいだって言ってたわ」
教師…?
5年前…?
「…それって」
琴は言い掛けようとして口をつぐんだ。
「あなたの言ってた白居先生を連想させてしまうのは私だけかしら?」
関口先生は琴の顔を覗き込んだ。
「でも…」
「森下と白居くんと白居先生は繋がってる気がするのよ」