白い吐息
「誰のお墓か分からないの?」
関口先生が聞く。
「普通に白居家の墓だったよ」
白居家…
「戸部くん…、その墓地…どこにある…?」
まさか…
「知らない駅だったな。一応住所控えてきた。コレ」
琴は戸部からメモ用紙を受け取り、目を通す。
そんな…
琴の顔から血の気が引いていった。
「あと、あいつ地元をうろついてて、小学校の近くの道路でずっとしゃがんでんだよ」
道路…
「その道路って、公園の近くにある!?」
「うん…」
「目立つ建物がない所だよね!?住宅街で、電信柱があって……」
震える度、大きくなる琴の声。
「あんた、どうしたのよ急に…」
関口先生が琴をなだめようとする。
間違いない…!
「…ばなんです!」
「えっ?」
関口先生と戸部の声が重なる。
「事故現場なんです!」
「事故?」
「白居先生が事故にあった場所なんです!」
なんで真人が…
「本当なの?」
関口先生が声を震わせる。
「前に、真人の家を訪ねたことがあるんです。その最寄の駅が…」
「白居先生の事故現場に一番近い駅だったのね?」
琴は頷いた。