白い吐息
導路 〜Hurdle〜
真人は空を見ていた。
流れていく灰色の雲が真人の瞳に影を作る。

「どうしたの白居くん?」

隣に駆け寄る田口先生。

「…先生、どうしてオレを好きになってくれたの」

真人は空を見ながらぼんやりと尋ねた。

「え〜…急にそんなこと聞くかな。恥ずかしいじゃん」

照れて頬に手を当てる田口先生。

「教えて…?」

真人の声はうつろだった。

「そーだなぁ…。白居くんは顔が好みだし、なんかキレイ…。後、声も好きかな。それに優しくて明るくて、みんなの人気者じゃん」

「そっか…」

「ねぇ、それより今度どこか出かけない?」

「いいよ」

真人は田口先生の方に振り向いて笑顔をみせた。

「やった!どこにしようかな?」

「寒いの嫌だよ」

「じゃあ、映画とか?今度CRYSTALの優仁主演の映画が公開されるの」

「CRYSTALか…」



結局…


オレもアイドルか…














『この間さ、遊園地行ったんだよ』

『…遊園地?』

『オレと同僚とそいつの彼女で』

『…3人で?』

『変だろ?』

『邪魔だよね…』

『本当はダブルデートのはずだったんだ』

『例の生徒さんと?』

『そう』

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