白い吐息

「事故って、いつだったんですか?」

戸部が琴に寄る。

「クリスマスの後…夜だった」

「それだったら、真人が自殺未遂した日と被りますよ!真人の事件も夜だったし!」

「そっ…そうなの!?」

琴をよそに騒ぎだす関口先生と戸部。

「長谷川先生、2人の事故と事件、関係があるんじゃない?!」


白居…真人…


「長谷川先生?」


そう…


同姓同名…



始まるきっかけは名前だった…



「私…真人ともう一度話してみます」

「え?」


「真人本人に白居先生のこと、全部話して、本当のことを聞いてみます」


そう…

それが一番の近道…


「大丈夫なの?」

関口先生が心配そうな顔で見つめた。

「大丈夫です。もう、別れた後だし」


はじまりが名前なら…


終わりも名前にしよう…



「同姓同名で好きになった訳じゃないことも話したいから」


それで幻滅されてたんなら…


私もスッキリする…


「だったら真人はオレから誘うよ」

「ありがとう戸部くん」

「あぁ〜。オレが先生好きになっときゃ良かったよ〜」

「何言ってんのよ!」

関口先生が戸部の背中をバシンと叩いた。

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