白い吐息
「…心配?」
「お前の事件と、白居先生って人の事故、関係あるんだろ?…だって…今のお前、あの時と同じ顔してるよ…」
真人はゆっくりとしゃがんだ。
「オレはもう自殺なんて考えてない。だから、心配もしなくていい」
戸部の背中を優しく叩く真人だった。
「だったら、真実、話してくれよ…」
「オレは確かに白居真人って人を知ってた。長谷川先生の好きだった人ってことは最近知ったけど」
「森下か?」
「ああ」
「それで長谷川先生に幻滅したのか?」
「幻滅?」
真人の目が見開く。
「長谷川先生はきっと真人に悪いって思ってるんだ。好きだった人の名前がお前と同じだったことを隠していたから」
「…そんなこと…」
真人は言い掛けて口に蓋をした。
「…違うのか?…それが原因じゃないんだな?」
戸部は真人にしがみつく。
「……それは…」
戸惑う真人。
「やっぱり事故か?そっちが原因なのか?!」
問いただす戸部を真人は払い除けた。
「真人!?」
「もう止めてくれ!」
壁に勢いよく拳をぶつける真人。
「……」
「そのことは、思い出したくないんだ!もう嫌なんだ!」
「真人…」
「オレに関わるな!!」