白い吐息

「確かにって、どういうこと?」

カップを机に置き、時計を気にする関口先生。

「真人の親は教育熱心で、真人はそれにうんざりしてたんだ。でも事件以来、お袋さんの態度が変わって…なんか、妙に真人に優しくなった感じがした」

「私が会ったお母様も優しい感じだった…」

「つまりまとめると、白居くんはスパルタな親が嫌になって自殺未遂を起こした。父親はその罪の意識から別居、母親も白居くんへの接し方が変わったってことね」

話ながら頷く関口先生。

「…それが自然な考え方だよな」

戸部も頷いた。


でも…



「そしたら、白居先生は事件に関係ないの?」

琴の顔は真剣だった。

「そこなのよね…」


「事件と事故の繋がりか…」

戸部が頭をかく。



「ま、それは放課後また考えましょう」


関口先生の言葉で、3人は解散した。
保健室でひとり考える関口先生。

間もなくして、そこへ騒動の主役が現われた。

「関口先生!お願いします!」

田口先生が無理矢理、真人の腕を引っ張ってやってきたのだ。

「…どしたの?」

「白居くん、手に怪我してるんです。でも保健室に行きたくないって駄々こねて…」

「オッ…オレは大丈夫だよ」

嫌々引きずられる真人。

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