白い吐息
琴 〜Kotoko〜
大好きだった…
好きで好きで仕方なくて…
想いを告げられずにいた
だってあの時は永遠のさよならが来ることをまだ、知らなかったから。
長谷川琴、高校3年の受験生!
趣味は食べることで特技が料理かな?
って、この間白居先生に話したら自分で作って食べるなんて淋しい人生だなって言われてしまった。
白居先生ってのは、部活の顧問の先生。
英語教諭で若くてカッコよくて面白くて、学校の人気者なんだ。
だけど外国文化研究部なんてマニアックな部活の顧問をしてる。
部員はみんな幽霊さんみたいで、ちゃんと活動してるのは私だけなんだ。
でも、それが嬉しかったりする。
私は…白居先生のことが好きだから…。
入部した春から、退部するはずだった夏を越えて、私は今もここに通っている。
季節はもう冬なのに。
部室である科学室のストーブを着けて、私は先生が来るのを待った。
ガラガラガラ…
来た…
「琴子?」
先生はいつも第一声、それで入ってくる。
別の人がいたらどうするんだろう?
まぁ…私は嬉しいけどね。
「先生〜なかなか暖まらないよ〜」
「それをオレに言うなよ」
先生は不器用に微笑む。