白い吐息
それは本当にキリがないほど沢山。

「なのに鈍感なんだもんな…」

「何?」

「べっ…別に」

と、私は慌てて答えた。


「琴子って、鈍感だよな」

何でその言葉が返ってくるのよ…


「先生ほどじゃありませんよ〜」

開き直ってやる!


「子供か?」

「子供だもん」

「タコさんウインナー好きだしな」

………

「メリーゴーランド乗りたいって騒いでたし」

………

「コーラよりイチゴ牛乳派だし」

……そっ

「カラオケの十八番がアニソンだしなぁ」

…それは関係ないでしょう


「オレは琴子の好きなものなら何でも言えるぞ」

先生は自信満々にそう話した。

「じゃ…じゃあ言ってみてよ」

なんだかドキドキするじゃん。


「イチゴだろ、シュークリームだろ、ココアだろ、プリンだろ、唐揚げだろ、焼きそばパンだろ、豆腐だろ、さきいかだろ、枝豆だろ…」

「ちょっ!食べ物ばっかじゃん」

しかも後半オヤジ臭いし。

私は先生の肩をペシっと叩く。
さりげなく触れる髪になんだか指が熱くなる。

「だって琴子、食ってるときが一番幸せそうだもん」

「…え?」

私って、やっぱりそんななの?

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