白い吐息
私の青春はどこへいってしまったのだろう…
新学期が始まっても学校へ行く気にはならず、心配してくれた友達が家を訪ねて来てくれた。
「琴?」
一番仲の良かった香奈という友達が部屋にやってきた。
「……」
「はい香奈ちゃん、飲んでね」
お母さんが私の代わりに挨拶をして部屋にココアを運んでくれた。
「あっ、お構い無く」
「じゃあ、また後でね」
部屋からお母さんがいなくなると、香奈はゆっくりと優しく話し始めた。
「…琴の気持ち、私になんて理解できないと思う。…学校も…来たくないの分かる。白居先生の話も、きっと聞きたくないよね」
白居…先生…
「でも言わせて。琴が学校に来ないのを悲しんでるのは…白居先生だと思うよ」
先生が…
「だって…あんなに受験勉強頑張ってたのに。一番応援してたの白居先生じゃない」
応援…
先生が…?
「きっと…天国から今の琴を見て泣いてるよ…」
天国…
泣いてる…
話ながら、香奈は涙を零した。
「…な…か…な…い…で」
「琴…」
香奈は痩せ細った私の身体をキツく抱き締めてくれた。