白い吐息
「お紅茶でよかったかしら?」
女性がティーカップをテーブルに置いた。
「あっ、お構い無く…」
明らかに緊張見え見えの琴に女性は優しく微笑んだ。
「先生が初めてなんです」
そう言うと女性は琴と向かい合って座った。
「何がですか?」
「真人を心配して訪ねてこられたの」
「えっ?」
「学校から何回か連絡を受けることはあったんです。真人が欠席してるって」
「はぁ」
「でも私、いつもそれを知らなくて…恥ずかしながら息子は家を出ていますって、学校へ向かったはずなんですと先生方にお話したんです」