白い吐息
「昨日、どうでしたか?」
「どうって?」
僕と真人さんは土日に小学校の屋上で話すのが日課だった。
理由は、僕が塾をサボる為だったりする。
小学校の屋上は外階段から自由に上れた。
「花、飾ったんですか?」
「…まぁな」
「何の花にしたんですか?」
「教えない」
そう言って真人さんはニヤリと笑った。
「何か…いいことあったんですか?」
「クッキー」
「…?」
「クッキー貰った」
真人さんはとても嬉しそうに胡坐をかいたまま上半身をユラユラと踊らせた。
「へぇ…」
僕はその横で体育座り。
「なんだよ。その興味なさそうな返事は」
「…だって、本当に興味ないし」
「な・ん・だ・と〜」
真人さんに頭をグリグリとされる。
こんなスキンシップが僕は大好きだった。
「嘘です!嘘です!興味あります!冗談言っただけですよ〜」
「そうか。お前も冗談が言えるようになったか」
真人さんはグリグリしていた手で背中をポンポンと叩いてくれた。
これって、誉められてるのかな?
「で、クッキーに何か?」
僕は苦笑いで尋ねてみた。