白い吐息
『琴子を連れていこうとしたこと』
『……』
『オレは…卑怯だったな』
『先生…』
『でも、安心した』
『安心?』
『琴子は、オレより彼を選んだから』
『彼?』
『白居真人くん』
『真人…』
『それに、彼も琴子をスゴく大事に思ってるって分かったから』
『……』
『琴子、早く帰りな』
『先生は?』
『オレは大丈夫!天国で天使ちゃんとラブラブするからさ』
『へ?』
『地獄なら小悪魔ちゃんかな』
『…先生』
『琴子、笑って』
『…』
『琴子の笑顔は最高なんだぞ!』
『天使ちゃんよりも?』
『ああ』
『小悪魔ちゃんよりも?』
『勿論!』
『…ごめんね先生』
『謝るなよ』
『先生のこと…本当に、本当に大好きだったよ。告白しなかったこと、本当に後悔したんだから』
『…ありがとう、琴子』
『…私も、ありがとう』
『琴子、お前の愛した奴はいい男だぞ』
『…!』
『オレの次にな』
『またまた自信満々だね』
『まぁね!』
『それが先生のいい所だよ』
『Thanks』
『…先生、私、先生と出会えて幸せだったよ』