白い吐息


「あれ!?今日センセなの?」

男子たちはソワソワして教卓の琴を見た。

「そーです」

教師の営業スマイルで答える琴。

黒板には既に自習の2文字がでかでかと書かれていた。

「センセー何歳?」

背後からの突然の質問に一瞬焦った琴だったが優しく振り向いて冷静に答えた。

「23です」

「彼氏いんの?」

「今はいないけど」

「マージでぇ!」

「うるせんだよタコ!変なこと聞いて騒いでんじゃねーよ!」

メイクを直しながら番長らしき女生徒が一喝した。

「いゃん恐い〜♪」

男子がそろって身体をくねらせる。

「キモいんだよバーカ」

琴はその小学生のようなやり取りをため息をついて見ていた。
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