白い吐息
「真人。もうあやまらないで。あなたのせいじゃないんだから」
そう言うと、母親はそそくさと去っていった。
「なんなんだよ…」
真人はベッドに仰向けで倒れこんだ。
『白居先生?』
『何?』
『前から疑問に思ってたんだけど、先生何で白衣着てるの?』
『……』
『英語教師なのに…?』
『コスプレ好きだから!』
『えっ?マジ!』
『白衣はモテアイテムだしな〜♪』
『最悪…』
「…さいあく…」
「…先生、長谷川先生?」
琴の肩叩く奴がいた。
「…ん〜なに?」
「あれ?もしかして寝呆けてる?」
琴のうっすらとした視界の中で森下が笑っていた。
「!」
琴は慌てて起き上がった。
そう、ここは職員室。
今は朝の職員会議の時間だった。
しまった…
昨日あまり寝付けなかったから居眠りしちゃった…
「寝顔も可愛いですね」
森下は琴の耳元で囁いた。
琴は顔を赤くしながらも、不機嫌そうな目をする。
「怒ってる顔も可愛い」
森下は全く悪びれた様子もなく琴の頬をつついた。
「イヤっ!」