白い吐息

「She looked at him with loving eyes. 彼女は愛情のこもった目で彼を見た」

「あってる、あってる」

「The prince fell in love with you. 王子はあなたに恋をした」

「白居くん、発音いいね」

琴に意外なことを誉められて照れる真人。

「後は自分で読んで」

真人が席から離れる。
琴は歌詞の内容に驚いていた。

「次はちゃんと歌詞読んでからくるわ…」

気付くと真人は教卓の前にいた。

「先生…」

「何?」

「さっき、先生の好きだった人、白衣着てたって言ったじゃん」

「…うん」

「その人って、医者だった?」

「違うよ」

琴は真剣に考えてる真人を見て微笑んだ。

「理容師?」

「違う」

「コック?」

「ハハ…ぜんぜん違うよ」

「じゃあ…、教師?」

琴は少しドキッとした。

「正解…」

「マジ?それって…先生は生徒だったとか?」

「だったよ」

「すげー。それって禁断の恋ってやつか」

真人はすっかり感心していた。

「自分はどーなのよ?」

思わず声をかける琴。

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