白い吐息
恥ずかしさのあまり膝に顔を埋める琴だった。
「マジ?!」
真人はおもいっきりよく振り返って、丸くなった琴の背中を見た。
「大きな声出さないで…」
琴はまるで子供のようだった。
「良かった」
そんな可愛い琴の姿を見て真人が微笑む。
「…何が?」
「先生が純な人で」
「純?」
「Pure…」
その言葉は琴の耳を赤く染めた。
背中で真人の視線を感じ、心音は激しくなる。
琴は自分の身体の異変に戸惑っていた。
「先生、こっち向いて」
真人の声にいちいちドキドキする琴。
「何?」
と、言って振り向いた。
「オレの気持ち」
そう言って笑う真人の後ろの黒板には大きな文字が踊っていた。
I love Koto.
まるで学園ドラマのようなその光景に、琴は時が止まったような錯覚を覚えた。
「……白居…くん…」
感動のあまり、琴の瞳から一筋の涙が零れた。
「先生、…ちょっとだけ抱き締めてもいい?きつくしないからさ」