恋愛悠々~四人之恋~
「…そっか…志穂がそこまで言うなら強制しない…
でも、なんでそんなに嫌なの?彼女だって本人は、否定してたし…」
「………………から」
「え?ごめん、聞こえなかった」
「ッ!だから!嫌なの!もしも、仮にも彼女がいないとしても、一義が珠を好きとか言ったら私、珠を嫌っちゃう!そんな醜い私、嫌だから!」
志穂は、叩きつけるように叫んだ。
「大丈夫だよ。そんな心みんな持ってるから」
珠は、一瞬驚いたようだが、すぐに微笑むと志穂をさとした。
「おい、どうした!?祭り前に喧嘩とか止めろよ!!」
「あれ?一義に祥介、もう来たの?」
「《もう》って、時間過ぎてんぞ」
「ホントだ!珠、かなり喋ってたみたいだね」
「だね~。あっ!心配せんでも喧嘩しとったわけじゃないよ?乙女の秘密を語ってたのさ☆」
「なんだそれ?」
「男子は、知らんで良いの!女の子秘密なんだから!」
近づいてくる足音が、出発を呼びかける。