恋愛悠々~四人之恋~
「あれ?」
異変に最初に気付いたのは、志穂だった。
「どうした?」
人を掻き分けるように先頭を歩いていた一義は、志穂の声に振り返った。
「ど、どっしよ!珠が!祥介が!あれ!?え!?」
「は?志穂、落ち着け。珠と祥介がどうした」
突然の事に完全にショートしてる志穂を落ち着かせながら話を聞けば、気付けば珠と祥介が居なくなっていたとの事。
「どどどどしよ!!こんなとこでバラバラになったら会えらんよ!」
「志穂!落ち着け!
大丈夫だから。去年までと違ってケータイがあるだろ?」
「あっ…そっか…。よかったー、、、」
安心したのか、志穂はその場に崩れ落ちるようにへたりこんだ。
「まあ、心配するのは分かるが、アイツ等も子供じゃないんだし、大丈夫だろ?」
「うん…」
「…そんなとこ座ってると浴衣が汚れんぞ」
そう言って志穂に一義は、手を伸ばした。