恋愛悠々~四人之恋~
「え…」
足のつかない場所で、志穂は足をつった。
「うあっ…ゲホッ!ちょ……や、だ、誰……助け…………」
そんな志穂の異変にいち早く気付いたのは、近くに居た一義だった。
「志穂!」
一義の焦った声に祥介と珠も志穂の異変に気付く。
「志穂!」
唖然とする祥介と悲鳴のように名前を呼ぶ珠をよそに一義は、志穂の近くまで泳ぐと両腕の脇に腕を回すと二人を呼ぶ。
「何、ボーとしてんだ!助けんぞ!」
「あっ!うん」
「おう!」
ハッとしたように、二人も答え、志穂を支えながら戻る。
「はあ…ゲホッ、ケホッケホッケホッ………ハァハァハァ」
一息着くように深呼吸を使用としたところ、突然肺に行き渡る酸素に噎せたようだった。
「志穂、大丈夫!?
いや、大丈夫な訳ないけど…」
心配そうに覗き込んできた珠の語尾は小さくなるばかりで、比例して顔も暗くなる。
「ビビった…痛いとことか辛いとこないか?」
一命を取り留めた事に安心するように顔をほころばせている祥介は、「大丈夫、無いよ」と言えば、更に安心しかのか、脱力している。