恋愛悠々~四人之恋~
最後に
「ほら、口ん中マズイだろ?ジュースにガムでも噛んでろ」
そう言って、ジュースとチューインガムを渡してきたのは、一義だった。
「ありがと…
………ごめん、心配かけて…せっかくの――」
「志穂!志穂が無事で良かった!…それに、これで楽しい記憶が全部無くなる訳じゃないでしょ?」
志穂の言葉を遮った珠は、喋り出す。
「今日いっぱい遊んだし、あたしらなんて数日前からどんなお弁当にするか考えて、作って、食べてもらって、これって無意味じゃないでしょ?一つのアクシデントで全部大変だった、つまんなかったってナシじゃない?」
「珠…」
「そうそう!次、海来たらイヤって程準備体操すれば良いだろ!」
ニィッと悪戯っ子のような笑みを浮かべる一義。
「志穂は、身を持って教訓を獲たんだよ。次に同じ事をしないように」
「お前が言えば、俺らは従うしかないしな」
「祥介…どう言う意味!!」
「何なりとお申し付けを女王様」
騎士のように膝を付き、頭を下げる祥介の頭を軽く殴る。
「確かにな!」
懲りずに悪ノリする一義にピシャッと一言
「一義は下僕ね」