恋愛悠々~四人之恋~
その日の帰り、祥介は珠と志穂と一義を待っていた。
「で、珠は好きな人いないの?」
「は?」
突然、突拍子もない志穂の発言に珠は頭を傾げる。
「だ・か・ら!好きな人ぐらいいるでしょ!!」
「だってさー、あたしは一義で祥介は電車で一緒になる子!珠は?」
―バシッ―
「俺のとこの声がデカイ!」
一義の所を恥ずかしげに声のボリュームを下げながら、祥介の好きな子は遠慮なく言う志穂は祥介に勢いよく叩かれる。
「だってー…祥介も気になんないの!」
「志穂知ってる?他人の恋に興味を持つ人は不幸になるらしいよ?」
「ちょっ…!え…!えええぇぇぇぇ…!ウソッ…!」
「志穂、はぐらかされてるけど良いのか?」
「はっ!珠――「一義!」――えっ!?あっ!おっ、遅い!!」
グダグダと一義に絡む志穂を微笑ましそうに眺めながら珠は、誤魔化せた事に小さく按著の息を吐く。
見ていた人がいるのにも気付かずに…。