なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?


午前中の競技が終わって、午後。


一番最後の種目が3年生のリレー。


正直一番の不安材料なのがこのリレーだ。


クラス一足が遅い私。


みんなの足を引っ張るのが分かってるから、毎年どうにかして出なくていい方法はないかと模索するんだけど


なんの解決策も見いだせずに当日を迎えるのが毎年のパターン。


そして今年も…




――――――――――


スタートラインに立つ亜子を見守る。


私は最後から4番目。


琢斗が私の後、遠哉が10番目、アンカーがヨウ。




「位置について、よーい」


パーン


ピストルの音と共に、第一走者が一斉に走り出す。


他のチームの第一走者は、だいたいが陸上や運動系の部活に入っている女子。


そんな中でも負けていない、むしろ対抗している亜子。


かっこよくて、頼もしくて、


「亜子ーーーっ!!」


思わず応援にも熱が入る。



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