なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?


亜子は二番目で次の走者に繋ぐ。


このメンバーの中で、充分すぎる結果だ。


バトンがどんどん繋がって、それとともに、私の出番も近づく。


…胃が痛い。それに、なぜか今日は頭も痛い気がする。






「頼むっ!」


前の男子にバトンを渡され、私は走り出す。


7チーム中、現在3位。


私は一生懸命走るけど、クラス一足が遅い私。


後ろからくる人達にどんどん抜かれ、4位…5位…と順位が後退していく。




もうすぐで次の走者にバトンを渡す。


でも…


次の走者、琢斗の顔を見て安心したのか、朝からの体調不良の影響か、


コーナーを曲がって直線に入ったところで、私はバランスを崩しそのまま転んで膝をついてしまった。


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