なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
本祭1日目
side夢乃
今日は待ちに待った本祭。
そして、今年は特に楽しみなんだ!!
というのも、昨日の夜…
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「もしもし、夢乃?」
「ヨウ?どうしたの?電話とか珍しいね。」
お風呂から上がってアイス片手にくつろいでいたところで、ヨウから着信が入る。
「ちょっと話あって。今時間大丈夫?」
「大丈夫だよ。気にしないで。」
「明日のことなんだけどさ…」
深刻そうな声でヨウが言うから、私は思わずベッドに正座してかしこまってしまう。電話越しだから、どんな格好をしててもほんとは関係ないんだけど…
「明日、パレードの後。誰と回るか決めてる?」
「え、今年もみんなで回るんじゃないの?」
「俺、明日別に用事あってさ。遠哉と亜子も係の仕事あるみたいで。」
「えー…」
今年もみんなと回るのを楽しみにしてたから、ヨウの言葉に私はショックを隠し切れない。
電話越しでも伝わるくらい、はっきりと落ち込んだ様子を見せた。
「そんな落ち込まないでよ。続き聞けって…」
そんな私を宥めるように、ヨウは話続ける。
「琢斗が明日暇らしいから。琢斗と一緒に回れよ。それなら寂しくないだろ?」
言われたことを理解するのに時間がかかったけど、しばらく考えて私は、
「え、えぇー?!!」
家族から苦情がくるくらい大きな声で叫んでしまった。