なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?




ほんとは、




『友達じゃ嫌』って泣き喚けば良かったのかな?




『他に好きな子がいるんじゃないの?』




そう聞いたら、あなたはどんな反応をしただろう……










でもやっぱり最後まで弱虫な私は、最後の最後で素直になることができなかった。




そして琢斗。




あなたは最後まで、










私を名前では呼んでくれなかったね……




――――――――――


―――――――――――――




教室に戻ると既にみんなが集合していて、私も何事もなかったかのようにその輪の中に入る。




何も、変わらない。




楽しい空間。




楽しい会話。











でもやっぱりそこは友達で。




無理やり明るく振る舞っていた私の様子に気づいて、




「夢乃、何かあった?」




帰り際、亜子が私にそう尋ねてきた。


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