なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
でも俺は理不尽だ。
いざ亜子と二人で回れるとなると、嬉しくて頬が緩んでしまう。
…と、そんなことを考えている間にどんどん先に行ってしまう亜子。
「先行くよ、トーヤ。」
「ちょっ…待ってよ!」
後ろから、まるで亜子の召使いのようについていく俺。
イタズラっ子のように笑う、お姫様は亜子。
今日も俺は、こいつの魅力に振り回されそうだ。
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「ふぅ…食べたぁ〜」
亜子はその言葉通り、本当に食べた。
その細い身体のどこにそんなにたくさんの食べ物が入るんだって、疑いたくなる量。
俺の小遣い…
財布の中身を見て、思わずため息が漏れる。
でも、
「ありがとね、トーヤ。」
亜子の笑顔にはかえられない。亜子の笑顔はスマイル0円ではないらしい…
「よし。満足したから、今度はトーヤの言うこと聞いてあげる。」
「どこ行きたい?」
そんな亜子の問いかけに、俺は少し考えた。
亜子と一緒なら、どこでも楽しいけど…
でも、
よし。