なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
「俺、バンド演奏聴きたい。」
そんな俺の提案に
「え、やだ。」
亜子は即答。
「人多くてうるさいの嫌いだもん。」
相変わらず自分勝手なお姫様。
分かってたよ、こう言われることくらい。だから…
「人少なくて、うるさくなかったらいいんだろ?」
俺の言葉に首を傾げる亜子。
そして俺は続ける。
「じゃあさ……」
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「……トーヤにしては、ちゃんとした提案だね。」
俺達が向かった先、それは
体育館裏。
告白の大定番!
だからじゃなく、ここなら演奏も聴こえるし、みんな中で演奏を聴いているから、ここには人が来ないだろうという俺の考え。
その俺の読み通り、人一人いなくて静かな空間。
中の音楽がBGMのように聴こえてきて、凄く心地良い。
「座ろっか。」
俺の促しで、俺達は体育館のドア前のコンクリートに腰を下ろした。