なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
「…ねえ、何でここ開いてるの?」
今私達がいるのは屋上。
疑問1。
普段はしまっていて、生徒は立ち入り禁止の屋上。それがどうして今日は開いているのでしょう?
疑問2。
そしてその屋上の鍵を、どうしてヨウが持っているのでしょう?
私のハテナマークのヒントを与えるように、
「俺がちょっとお願いすれば、簡単に貸してくれる人がいるんだよね☆ラッキーラッキー!」
鍵を人差し指でくるくる回しながら、ヨウは笑う。
…またヨウは先生に色目を使ったんだ。
すぐに答えは出た。
「よくやるよね…」
私が少し呆れていると、
「ま、いいじゃん。そのおかげでゆっくりできんだから。」
そう言ってヨウは、固い屋上の床に寝転んだ。