なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?








「夢乃が好きなんだ。琢斗になんて渡したくない…」




耳元から届くヨウの吐息と言葉に、私は身体を震わせる。




私の耳が熱を持ち、その熱が全身に伝わった。




思わずこの熱は、恋のドキドキから来るものなんじゃないかって錯覚してしまうくらい


頭のてっぺんからつま先まで、灼けるように熱かった。













「あんなやつやめて、俺のとこ来い。」




抱きしめてくる腕にさらに力がこもって、




答えを、出さなきゃいけない。




そう思った。













私は、琢斗が好き。




それはきっと、偽りのない事実。




だから答えは決まっていた。




嘘はつきたくない。




ヨウの気持ちを、利用してはいけない。




もう、甘えない




逃げてちゃいけない…








だから








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