なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
きっと私は、ヨウを好きになる。
ヨウの言うように、琢斗のことなんて忘れるのかもしれない。
「良かった…」
そう言って私の身体を離したヨウの手は、少し震えていた。
私たちは、幸せなはずなのに全然笑ってなくて
でも私は、これからだって思っていたし
この先訪れるであろう幸せを、信じてやまなかった。
私はただ、自分の幸せだけを信じていた。
自分の、幸せだけを……