なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
「源月亜子!」
「…はい。」
亜子は相変わらず、静かなトーンで返事をする。
大好きな、亜子。
亜子は、私の憧れだった。
何でも完璧にこなして、綺麗で優しくて。
だから亜子と友達になれたことは、私の高校生活の誇り。
いつも頼ってばっかりでごめんね。
本当は、亜子の話をもっと聞きたかったよ…
亜子は誰が好きなのか、バカな私でもなんとなく分かってた。
でも亜子の口から直接聞きたかったから、私は何も言えなかったの。
幸せになってね。
亜子が大好きだから、亜子が幸せになることが私の幸せ。