なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
そして、あなたはまた私の背中を押してくれる。
「行けよ、琢斗のとこ。今度こそお前らが幸せになれるのを祈ってるから」
「ヨウ…」
私は一瞬ためらってその場から動くことができなかったけど、
「行けって!!」
ヨウがそう強く私に言って、誰もいない教室から私を追い出した。
だから私は、振り返らなかった。
ヨウの優しさに、もう甘えない。
『ありがとう、ヨウ…』
心の中でそう呟いて、私は走る。
全力で。
ヨウ、私頑張るよ。
あなたが背中を押してくれたから。
だから、
あなたも幸せになって。
嘘じゃなく、ひとつだけ真実を言うとするならば
私はあなたのその優しさが大好きでした。