なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
「お前には、かなわねーな…」
「なあ、亜子。」
二人の鼓動が重なる。
「俺はさ、亜子が好きだよ。」
「でも、俺達のは恋愛じゃない。」
「似た者同士で傷の舐め合いをしてるだけだ。」
そして鼓動がさらに早くなる。
「お前が好きなやつは他にいるだろ。怒ったり、泣いたり、本当の亜子の姿を見せれるやつ。」
「行けよ。そいつんとこへ」
「ヨウ…」
涙が、今にも溢れてきそうだった。
「俺も、亜子には素直でいて欲しいんだ。幸せになれ。」
そう言って背中を押してくれる、ヨウのあったかい手。
その手と同じくらいあなたは、いつでも優しくてあったかかった。