なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
今日も、亜子を家まで送る。
教室を出る時に、
一瞬切ない顔でグラウンドを見つめた亜子に
俺は、
気づかないふりをした。
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「なあ、亜子?」
「何?」
「俺の最後の大会、応援きてよ。」
俺は、精一杯の願いを込めて
亜子に言う。
「…気が向いたらね。」
大体亜子の答えは予想がついていたけど、
「絶対、こいよ。」
俺はもう一度強く、
亜子に言った。
最後こそは、
お前にかっこいいとこ見せたいんだ。
あいつより一生懸命な、俺の姿。
そしたら、
お前の矢印が少しは、俺の方に向くのかな……