なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
「こいつのことは、いつもこいつの球を受けてきた俺が一番よく分かっています。」
「こういう場面で強いのがこいつです。最後は必ず守ってくれます。」
そんな琢斗の熱意に負けて
「そこまで言うなら、分かった。」
監督が、とうとうGOサインを出す。
「でもな、その前に攻撃だ。最低でも一点は取らないと、お前らの出番はないぞ。」
「分かってます。」
そう言いきる琢斗が、男としてものすごく、頼もしかった。