【短篇】私と僕。~逆らっちゃダメ~
「次…ね。」


小さくつぶやいた。


ケンちゃんに聞こえないように。


家に着くまでの間、ずっと握りしめられていた。

指と指を絡ませるような繋ぎ方じゃなくて、握手するような繋ぎ方で。


玄関前でいつもの会話をする。


「明日も迎えに来るね。」


「ありがとう。バイバイ。」


会話の内に二人の手は離れていった。


家に入り手を見た。


ケンちゃん。


ペットでしょ??


どうして、私を引っ張るの??



どうして、私をドキドキさせるの??


ペットのはずでしょ―!?


ケンちゃんは、ペットなんだからペットらしくしてよ…。


昔みたいに、小さな―…

男の子で―…


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